前沢牛。この名前を聞いたことがある人は少ないと思います。
前沢牛は岩手県のブランド牛です。
あなたに前沢牛を知ってもらい、美味しく食べていただきたいです。
なので特徴や食べ方をご紹介します。
前沢牛の特徴と育て方
前沢牛は岩手県の前沢区で生産された黒毛和牛です。
岩手の黒毛和牛の中でも厳しい定義をクリアした牛が前沢牛になれます。
その厳しい定義とは
前沢牛の生産は住所が岩手県前沢区にある、または所在地のある人のみ認められます。
牛は生産者が1年以上肥育し、出生からの飼養期間の中で前沢区内が最も長いことが条件です。
同時に、最終飼養地が前沢区内であることが必要です。
子牛は種類が黒毛和種であること、出生地が前沢区であることが条件です。
そして全国和牛登録協会発行いた子牛登記証か、証明書などが必要です。
子牛から育成まで決まっているなんて細かいですね。
前沢牛は岩手ふるさと農業協同組合によって登録商標しています。
販売も農業協同組合の経由で行われています。
前沢牛は肉質等級が4以上、歩留等級がB以上あることが日本食肉格付協会で決められています。
この条件を満たした牛のみ前沢牛と名乗ることが出来るのです。
牛肉の格付けとは何か知っていますか?
格付けは5~1の5段階で評価する「肉質等級」とA~Cの3段階で評価する「歩留等級」を合わせた15段階で行われています。
肉質等級は肉の色沢、脂肪交雑、肉の締まり、きめ、脂肪の色沢の項目があります。
そのうち一番低い等級に決定し、格付けします。
歩留等級は、ばらの厚さとロースの芯の面積などを計算して算出します。
前沢牛の肉質はきめ細い霜降りでしっとりと柔らかいです。
脂が上品なので肉が溶けるように舌触りは柔らかくなめらかです。
風味が良いのでシンプルな味付けで楽しめます。
奥州前沢区では「前沢牛にぎり」という牛をトロに見立てた握りずしが人気です。
岩手県は、稲作が豊富で、質のよい草と飼料がたくさんあります。
お米が美味しい県として知られていて、『ひとめぼれ』も有名ですよね。
その藁を食べるのが前沢牛です。
稲わらは食料として利用できますが、敷床としても使われます。
前沢牛は1頭1頭大切に育てています。
広い牧場で自由に放牧させるだけではブランド牛になれません。
暑い夏は扇風機を回して、寒い冬には麦ワラで体を温めます。
愛情をたっぷり与えて育てているのですね。
全ての牛を大切にし、牛を気遣って育てているから上質で美味しい牛に育つのです。
前沢牛は「牛肉トレーサビリティ法」を行なっています。
全ての牛を牛個体識別台帳に記録をしています。
英語の「trace」と「ability」を合わせた言葉をトレーサビリティと言います。
意味は追跡や情報管理です。
飼育、加工、処理、流通、販売のそれぞれの段階で追跡して情報を知ることができます。
トレーサビリティは安全性に向上しています。
食品事故が起きた時、迅速に商品回収を行い、原因究明をして被害を最小限にします。
この仕組みのおかげで経路をスムーズに確保でき、消費者と生産者が情報交換できるようになりました。
牛肉トレーサビリティ法は牛海綿状脳症(BSE)が国内で発生したことをきっかけに成立しました。
食肉処理した国産の牛肉には、個別識別番号が設定され、表示が義務されています。
岩手県産は「いわて牛トレーサビリティシステム」を導入し、詳細なデータを確認できます。
岩手県の食肉生産の歴史はあまり長くありません。岩手は農耕が盛んな地域で牛は農耕の道具の1つでした。
しかし時代の変化により牛が使われなくなりました。昭和中期に牛を食用にするために肥育し生産する動きが盛んになりました。
当初はそれほど価値がなかった前沢牛ですが品種改良を繰り返し高級なブランド牛となりました。
前沢牛の部位ごとの美味しい食べ方
前沢牛は部位によって特徴や美味しい食べ方が異なりますので部位ごとにご紹介します。
ネック
首の部分のお肉です。よく動かす部分のため、きめが粗く肉質は硬いです。赤身が多く旨みエキスがたくさん入っているので煮込み料理に向いてます。
肩ロース
ロースは背中の筋肉の部分です。首から肩のロース部分のお肉です。首に近いので少し筋っぽさがありますが、脂肪が多くあります。風味の良いお肉です。
リブロース
背中の部分で、すじが少ないお肉です。そのまま焼くローストビーフやステーキにするのがおすすめです。薄切りのお肉はしゃぶしゃぶにすると美味しいです。ねぎやしょうがなど香味野菜とお肉を一緒に茹でると生臭みが取れます。
サーロイン
リブロースからももにかけてのお肉です。きめが細かく柔らかいです。牛肉のもっとも美味しい部位の1つです。前沢牛は霜降りが綺麗に入っていて柔らかく、風味や味が抜群です。ステーキ以外でもローストビーフ、しゃぶしゃぶにしても美味しいです。
ランプ
柔らかい赤身が多いお肉です。風味が良いので牛刺しにも使われます。タレが染み込みやすいです。
ヒレ
別名はテンダーロインと言います。サーロインの内側にある部分です。ほぼ使われない筋肉の部分なので、きめが細かく柔らかい肉でたんぱく質が多いです。一頭から2%しか取れない部位で最高級品です。ステーキ、ローストビーフ、ビーフカツにすると美味しいです。
うちもも
ほとんど赤身で筋肉の塊の部位です。焼き肉から煮込みまで様々な料理に利用できます。ヘルシーで脂肪の摂取を抑えたい方にオススメです。
そともも
牛肉の中で一番少なくたんぱく質が多いです。焼きすぎると硬くなるので注意が必要です。
しんたま
脂の少ない赤身肉です。そともも、うちもも、しんたまに分かれます。うちももは大きな塊で外は脂肪、内側はきめが少し粗い赤身です。そとももは硬いお肉です。しんたまは丸い塊でたんぱく質が多く脂肪が少ない部分です。
ともばら
リブロースとサーロインの部分です。繊維質が多く、きめの粗いので、すねやネックと同様に硬い部分です。脂肪交雑が入りやすく、味は濃厚です。
かたばら
よく使う筋肉の部分なので硬いです。鍋や煮込みに向いてます。
前沢牛のオススメ料理レシピ
たたき
材料
ランプ肉 大根 みょうが クレソン
タレ
にんにくスライス 玉ねぎ しょうゆ 酒 みりん
作り方
お肉の表面に塩を振ります。
フライパンに油を入れ熱してお肉の表面を強火で焼き、焼き色をつけます。
氷水にいれて冷やす。水分をふき、バットにいれてタレをかけ、手でたたきます。
冷蔵庫にいれ冷やしながら味をなじませます。1時間くらい。
ねぎは小口切り、大根はすりおろし水気をきる。みょうがは薄くきる。
お肉は薄く切りお皿に乗せ薬味を盛って完成です。
赤ワイン風味の蒸し煮
材料
ヒレ肉 玉ねぎ 人参 セロリ
調味料
バター 赤ワイン ハーブ
作り方
お肉は塩コショウし、タコ糸を巻く。
野菜は薄切りにする。
鍋にバターを入れ野菜を炒める。
フライパンで肉の表面に焼き色をつけてハーブと一緒に鍋に入れる。
ワインを入れて沸騰させてアルコールを飛ばす。
アルミホイルで蓋をして弱火で蒸し煮にする。
何度かひっくり返す。
15~20分たったらお肉を取り出し温かいところで休ませて、余熱で火を通す。
煮汁に火をかけて煮詰め、バターを入れソースにする。
お肉を切りお皿に盛りソースをかける。
どちらもとっても美味しいですよ。
前沢牛の価格 レストランや通販の値段をチェック!
レストランコース
平均15,000円~
オススメのお店
グランヴヌール
盛岡駅からバスに乗り中央公民館前バス停から徒歩5分。
高台から市内を一望でき、四季の食材を活かしたフレンチを堪能できます。
記念日や特別な日、優雅なご飯など様々なシーンでご利用できます。
コースは8,500円~
すき焼き
平均8,000円~
オススメのお店
牛肉割烹 自雷也
一ノ関駅から徒歩3分。
自家製の甘い香りがする割り下が美味しいお店です。
ランチは1人前から注文できます。
価格5,000円~
しゃぶしゃぶ
平均8,000円~
オススメのお店
ささ忠
水沢駅から徒歩10分。
前沢牛を厳選し「旨いもの」のみを提供しています。
1名から大人数まで様々な方に楽しんでいただけます。
価格4,500円~
焼肉
平均6,000円~
オススメのお店
焼肉チャレンジャー
盛岡駅から徒歩25分。
席が広く落ち着いた雰囲気のお店です。
家族連れにオススメです。
価格4,000円~
県内にはほかにもオススメのお店がたくさんあります!
ランチならリーズナブルな価格で提供しているお店もありますよ!
ぜひ美味しい前沢牛を堪能してください。
公式のオンラインショップがあるのでギフトにして送れます。
ステーキ9,000円
すき焼き6,000円
しゃぶしゃぶ6,000円
焼肉6,500円
お歳暮ギフトや加工品も売っています。
シーンによって選べますよ!
前沢牛のまとめ
1岩手の黒毛和牛。
厳しい定義をクリアしていて味は文句なし。
2肉質は霜降りがきめ細かく柔らかい。
脂が上質で、舌触りはなめらか。
3部位によってオススメの調理法が違う。
4お店によってはリーズナブルな価格で提供している。